【佐賀e'スポット】肥前名尾和紙(手漉き和紙/佐賀県佐賀市) [佐賀県]
今回は日本の伝統文化を支えてきた「紙」~手漉き和紙の技術を継承する工房「肥前名尾和紙」をご紹介します。
佐賀県佐賀市大和町・名尾地区は300年以上の歴史を持つ九州では知られた和紙の産地。最盛期には100軒近い工房があったそうですが、洋紙や機械和紙の普及とともに工房の数は激減し、現在では1軒が残るのみとなりました。
全国的にも手漉き和紙工房の廃業が相次ぐ中、名尾の最後の工房でも先代は自分で閉める覚悟をしていたそうです。幸い、息子さんが後を継ぎ、昔ながらの技法を守りつつ時代が求める新しい和紙作りに意欲的に取り組まれ、東京の有名和紙専門店での取り扱いが始まるなど全国的にも注目を集めるまでになりました。
紙漉きの様子を自由に見学できる工房や、多彩な作品が並ぶ展示館は観光スポットとしても人気なのですが、あいにくこの日は工房がお休みで、和紙づくりの様子を見ることはできませんでした。。。
国内の主要和紙産地では分業が進んでいますが、「肥前名尾和紙」では原料の栽培からすべてを自ら行います。工程を説明するパネルを見ると、いかに厳しい仕事かがよく分かります。和紙作りといえば紙すきをイメージしますが、紙すきに至る工程がものすごく大変なのだそうです。
「肥前名尾和紙」で用いられる原料の「梶(かじ)」は、一般的に用いられる「楮(こうぞ)」の原種で、栽培に適した性質に改良された楮よりも収穫に手間がかかり、繊維が長く漉くのが難しいなどの性質があります。「梶」の紙は繊維が長い分丈夫で、薄くてツヤのある強い紙ができるため、ちょうちん紙として定評があり、九州の神社仏閣等で使われるちょうちん紙の9割は名尾和紙なのだそうです。大相撲九州場所や博多どんたくなどのお祭りにも肥前名尾和紙が用いられます。
先代まではちょうちん紙を中心に、注文にあった厚み(重さ)の紙を漉き、問屋におさめるという商売でしたが、息子さんの代となり、手芸やインテリア用の素材としての和紙、和紙を使った小物類など、様々な商品開発を手掛けるようになりました。
そうして生まれたたくさんの商品を展示するために、裏手に新しく家を建て、それまで住んでいた家を展示場に改装したのがこちらの建物です。
入口から展示場に足を踏み入れると、「ちょうちん」で定評のある和紙工房らしい、数々の美しい照明が目に飛び込んできます。
入口から向かって左側のスペースには、はがき、扇子その他、和紙をつかった様々な商品が展示販売されています。自分用、お土産用に思わず買いたくなるものばかり!
入口から向かって右側のスペースは、様々な種類の和紙が紙として展示販売されています。
ものすごい種類の和紙。どれも本当にキレイです。。。ひとつひとつの作品に膨大な試行錯誤があったことでしょう。このような多彩な商品・作品群を持つ手漉き和紙工房は国内でも類を見ないそうです。和紙作りを愛し、楽しまれているのでしょうね。
こちら、「肥前名尾和紙」当代6代目の谷口祐次郎さん。6代目を中心に、ご家族と職人さんのチームワークで工房が営まれています。佐賀市の学校の卒業証書に名尾和紙が使われるなど、地域をあげた応援も活発です。情熱ある後継者が現れるかどうかで、伝統工芸が将来に継承されるか、失われてしまうかが決まるようです。。。
昨年より「肥前名尾和紙」を販売する東京・神保町の宮内庁御用達和紙専門店「山形屋紙店」でも肥前名尾和紙は人気です。こちらの「はがきセット」など、贈答・手土産用としてとても喜ばれるそうです。
機会があれば、ぜひ「肥前名尾和紙」を訪ねてみてください。手漉き和紙や伝統工芸にきっと興味がわきます!東京・神保町の「山形屋紙店」でも、和紙についてとても親切に教えてくださいます。こちらも、ぜひ!
【佐賀e'スポットNo.012】肥前名尾和紙(☆☆☆)
佐賀県佐賀市大和町名尾4754
◎◎◎いつも応援ありがとうございます!◎◎◎
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佐賀県佐賀市大和町・名尾地区は300年以上の歴史を持つ九州では知られた和紙の産地。最盛期には100軒近い工房があったそうですが、洋紙や機械和紙の普及とともに工房の数は激減し、現在では1軒が残るのみとなりました。
全国的にも手漉き和紙工房の廃業が相次ぐ中、名尾の最後の工房でも先代は自分で閉める覚悟をしていたそうです。幸い、息子さんが後を継ぎ、昔ながらの技法を守りつつ時代が求める新しい和紙作りに意欲的に取り組まれ、東京の有名和紙専門店での取り扱いが始まるなど全国的にも注目を集めるまでになりました。
紙漉きの様子を自由に見学できる工房や、多彩な作品が並ぶ展示館は観光スポットとしても人気なのですが、あいにくこの日は工房がお休みで、和紙づくりの様子を見ることはできませんでした。。。
国内の主要和紙産地では分業が進んでいますが、「肥前名尾和紙」では原料の栽培からすべてを自ら行います。工程を説明するパネルを見ると、いかに厳しい仕事かがよく分かります。和紙作りといえば紙すきをイメージしますが、紙すきに至る工程がものすごく大変なのだそうです。
「肥前名尾和紙」で用いられる原料の「梶(かじ)」は、一般的に用いられる「楮(こうぞ)」の原種で、栽培に適した性質に改良された楮よりも収穫に手間がかかり、繊維が長く漉くのが難しいなどの性質があります。「梶」の紙は繊維が長い分丈夫で、薄くてツヤのある強い紙ができるため、ちょうちん紙として定評があり、九州の神社仏閣等で使われるちょうちん紙の9割は名尾和紙なのだそうです。大相撲九州場所や博多どんたくなどのお祭りにも肥前名尾和紙が用いられます。
先代まではちょうちん紙を中心に、注文にあった厚み(重さ)の紙を漉き、問屋におさめるという商売でしたが、息子さんの代となり、手芸やインテリア用の素材としての和紙、和紙を使った小物類など、様々な商品開発を手掛けるようになりました。
そうして生まれたたくさんの商品を展示するために、裏手に新しく家を建て、それまで住んでいた家を展示場に改装したのがこちらの建物です。
入口から展示場に足を踏み入れると、「ちょうちん」で定評のある和紙工房らしい、数々の美しい照明が目に飛び込んできます。
入口から向かって左側のスペースには、はがき、扇子その他、和紙をつかった様々な商品が展示販売されています。自分用、お土産用に思わず買いたくなるものばかり!
入口から向かって右側のスペースは、様々な種類の和紙が紙として展示販売されています。
ものすごい種類の和紙。どれも本当にキレイです。。。ひとつひとつの作品に膨大な試行錯誤があったことでしょう。このような多彩な商品・作品群を持つ手漉き和紙工房は国内でも類を見ないそうです。和紙作りを愛し、楽しまれているのでしょうね。
こちら、「肥前名尾和紙」当代6代目の谷口祐次郎さん。6代目を中心に、ご家族と職人さんのチームワークで工房が営まれています。佐賀市の学校の卒業証書に名尾和紙が使われるなど、地域をあげた応援も活発です。情熱ある後継者が現れるかどうかで、伝統工芸が将来に継承されるか、失われてしまうかが決まるようです。。。
昨年より「肥前名尾和紙」を販売する東京・神保町の宮内庁御用達和紙専門店「山形屋紙店」でも肥前名尾和紙は人気です。こちらの「はがきセット」など、贈答・手土産用としてとても喜ばれるそうです。
機会があれば、ぜひ「肥前名尾和紙」を訪ねてみてください。手漉き和紙や伝統工芸にきっと興味がわきます!東京・神保町の「山形屋紙店」でも、和紙についてとても親切に教えてくださいます。こちらも、ぜひ!
【佐賀e'スポットNo.012】肥前名尾和紙(☆☆☆)
佐賀県佐賀市大和町名尾4754
◎◎◎いつも応援ありがとうございます!◎◎◎
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和紙の持つ温かい感じが大好きです!^^
by hatumi30331 (2013-08-16 11:40)
> hatumi30331 さま
名尾和紙さんではいろんな表現を工夫されていますので、
北部九州を訪ねる機会があれば、ぜひ立ち寄っていただきたいです!
各種手配はおまかせください!^^
by kammi (2013-08-16 12:05)
コメント
by こういち3 (2013-08-16 23:48)
昨日、佐賀県を横断して佐世保に行きました。
残念ながら、佐賀ラーメンを食べる時間がありませんでした。
by johncomeback (2013-08-17 05:43)
おはようございます^^
素晴らしいことですね~是非絶やさず継承されると良いです。
by mimimomo (2013-08-17 06:21)
> こういち3さま
コメントありがとうございます!(笑)
by kammi (2013-08-17 11:07)
> johncomeback さま
あぁ~ 佐賀の素通り、やってしまいましたね・・・
佐世保から日本磁器発祥の地、有田はすぐですよ!^^
by kammi (2013-08-17 11:09)
> mimimomo さま
6代目には3人の息子さんがいらっしゃるのですが、
7代目を継がせるか、親としては躊躇するところがあるそうです。
みんなで応援することが大事だと思いました!^^
by kammi (2013-08-17 11:15)
こんばんは。
「肥前名尾和紙」のこと、知りませんでした。
素晴らしい作品ですね !
by yakko (2013-08-17 22:01)
> yakko さま
知られていない「いいもの」、たくさんありますよね!
これからもどんどん紹介できたらと思います!^^
by kammi (2013-08-17 23:26)
さすが300年以上の歴史のある和紙作りの町だけあって素敵な和紙が多そうですね。
絵柄が綺麗な和紙なら額に入れて飾るのもいいですよね。スウェーデンでは壁に多くの絵を飾ることが多いので(家も広いので壁も多いので尚更です)、いろんな絵柄をたくさん飾るのも素敵だと思います。
by gulapa (2013-08-19 09:04)
> gulapa さま
佐賀では肥前名尾和紙をふんだんに使った家を建てるのが
ひそかに流行ってるとか。
タペストリーとして飾っても和モダンなムードが素敵ですよ!^^
by kammi (2013-08-19 23:20)